教育訓練給付金(2) 訓練前キャリアコンサルティングを受ける

ハローワークから「教育訓練給付金」を受けてみようというお話の続き。

私は介護職向けの「実務者研修」という講座の受講料の一部にこの給付金を当てようととしている。

 

前回のお話はこちら↓

nemannema.hatenablog.com

 先ずは、受講を申し込もうとしている講座の事業所に、給付金の対象になっているかどうかメールで問い合わせ。私は、一番給付率の高い「専門実践教育訓練給付金」を狙っていたので、その対象となっているかどうか。で、なっているとのことで、講座初日のおよそ一か月前までにハローワークで給付金の申し込みをして下さいとの丁寧な付加情報をもらった。となると、次なるは「教育前キャリアコンサルティング」なるものを予約し、事前記入した書類を持参してハローワークで対面でコンサルを受け、「ジョブ・カード」なるものを発行してもらわねばならない。

 

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 「訓練前キャリアコンサルティング」は民間に外部委託しているそうで、ハローワークで案内パンフをすでに受取済みだった。パンフにはネット予約できると書いてあったので予約サイトに行ってみると、なんと自分の管轄のハローワークはネット予約できない風になっている。。。「マイナーな小さいところだから?」とか思いながら電話予約したところ、話の中の流れで分かったのは、普段は私の管轄のハローワークにもコンサル派遣しているのだが、現在は新型コロナウィルス感染予防対策の一環で派遣先を絞っていると判明。仕方なく、候補の中の最寄りのハローワークを予約会場とする。

 しかし、この電話予約受付、対応マニュアルがそうなっているのかそれともたまたま担当者の個性なのか、説明が冗長で、電話だけでの理解を超える情報を言ってくる。そして多分すごく忙しいらしく、電話の奥ではほかの電話の呼び出し音が聞こえるし、明らかてんぱってる様子もわかる。そんな大変な様子の担当者から、事前に準備しなければならない書類の説明を受けたのだが、その説明がネットのどこからアクセスして、どんな名前の書類なのか、みたいなことを延々とシナリオ通りに話す感じ。目の前にネットや現物がなければ理解できなくない?「わかります?」って尋ねられるんだが、「ネットを直接見てないんで分かったとは言えませんがパンフももらってるしとりあえネットを見てみます」とか答えたりして。で、最終的に、「予約受付ましたが予約内容復唱します」って長々復唱してくれたのだけど、名前と予約時間と場所だけでなくてまた事前書類の名前を繰り返す。。。

 ちょっと話がそれるが、電話のように耳から聞くだけという情報の取り方はもともと私は苦手というじかくがある。この前WAISの検査受けたんですが(結果待ち)、明らかに耳で聞く問題は脳内にとどめておけなくて「ああああ」みたいになる。ごく簡単な四則計算の算数の文章題(「〇〇さんがミカンを□個持っていて~」みたいな)を読み上げられて答える検査では、もう心理士さんの読み上げの途中から「あ、もう無理です。見失いました」って言っちゃったり。なので、コンサル予約電話の時、私がイラっとしたのは相手のせいではなくておそらく自分のせいです(爆)。

 ちなみに今回は、相手が尋ねてくる通りこちらの情報を答えて、それに対して相手が「これであってますか?」という質問をしてくるので「あってます」「ちがいます」というやり取りで予約というタスク自体は済んでるので、特段自分側に実害はないです。事前準備の書類情報はほぼ理解できませんでしたが「ネットを見ればよい」ことだけ分かれば自分的にはOK。相手側にはあったかもしれないが(私の言ってることがよくわからんとか、しかも携帯でかけたのだが途中で切れてしまうし)。

 さて、衝動性をいかんなく発揮し、予約は電話した翌日の朝いちの枠に申し込んだのですが、幾分かは後悔しました。というのは、事前準備書類4種が大変時間がかかるものだったのです。いわゆる自己PR書及び履歴書のようなものなのですが、つまりは給付金を受けるためのものなので、「こいつになら公金をだしてもよい」ことを証明することが必要なわけで、そのため、こちらは「これこれこんなキャリアで今後こんなことを考えているので今この資格を取っておきたい」と書類で説明するわけです。で、コンサルを経たうえでコンサル担当者が「この人なら大丈夫ですよ~」というお墨付きをあたえる、それがすなわち「ジョブ・カード」なわけですね。この時気が付きました。

 職歴欄。。。昔書いた履歴書、コピーを取ってあったはず。。。探しても見つからない。。。(あるあるですね)。PCのドキュメントの奥底に眠っていた昔々の経歴書を検索して探し出して、追加情報を入れて何とか書きました。その日は仕事があって帰宅後ぐったりしていてなかなかスイッチが入らなかったが、入ってからはおよそ三時間ってところ。過集中発揮。日付をまたいでノンストップで仕上げた。

 

 さて、次の日、指定のハローワークにてくてく出かけました。目指すブースは、雇用保険関係を扱うブースが並ぶ階だったのですが、この緊急事態宣言の中、しかも朝いちなのに、結構な混雑だった。「雇用保険=失業保険の手続き?新型コロナの影響でみんな解雇された?あああ辛い。。。」と私の脳内はこれで頭がいっぱいになり、時間まで待っていようと座った席は、まったく違ったブースの前だった。。。

 気を取り直して、時間が来たので目的のブースに行き、感染予防対策のビニール幕越しにコンサルのかたと対面、書類を見てもらう。。。私の持参した書類はほぼ完ぺきのようで、付け加えることはない。なんでこの講座を受けて今後どうしたいかもよくわかる。頑張ってください、と励まされ、無事「ジョブ・カード」を発行となった。ほぼコンサルが励ましの言葉をひたすら話してくれて、私は大変励まされて?およそ30分もかからず終わりました。

 余談だけれども、このコンサルのやり方、超マルチタスクで、私は絶対この仕事はできないと思った。必要書類を読み、相談者の代替の過去のキャリアイメージを描き、受けたい訓練と将来のキャリアイメージについて本人がどこまで描けているかどうか、それらを頭に置きながらインタビューを行い、経歴書の不備を指摘しおそらく文面まで指導すると思う。で、最後におそらくだけど申請が通るようにその相談者のキャリアの歴史と展望みたいのを一つの物語におよそ1000字ぐらいにその場で文章にまとめる。相談者の了解もとる。これを一時間でやるみたいなんだが、これ、普通にみんなできる仕事なの?

 ああ、私はここで、ようやくこの「訓練前キャリアコンサルティング」の意義と、面倒な履歴書作成の意味が分かることとなる。予約枠の時間、およそ一時間見てあるんdだが、おそらく、おそらくだけれど、自分のキャリアをうまく説明できず、将来の見通しと受けたい訓練との関係もうまく説明できず、キャリアの見通しさえよく見えていない、そういう方を対象に、一緒に経歴書やPR書を相談しながら作成し、そのやり取りの中で職業訓練と訓練後の仕事定着への動機づけを計る、みたいな目的なんですよね。。。私の経歴は一見すると支離滅裂なんですけれど、「なんでそうなっているのか」の説明はこじつけでも理屈付けはできてしまうわけで、私は矛盾のない経歴書と自己PR書が「書けてしまう」のです。

 無事に、「ジョブ・カード」をもらい、給付金を受けるステップを前に進めたわけですが、帰り道私はこんな思考のループにはまり込んでしまいました。

 

  • 励まさないでほしい。私は文章を書くのがうまいだけで、まったく将来の見通しが立っているわけではない。でもバイトで食いつなぐぐらいの能力はあるし、人を「だませる」能力もある。もっと励ましとコンサルが必要な人々はほかにいるのに。私はその人たちのリソースを奪ったのではないの?
  • 私は親の金で修士まで行かせてもらったけどまったくコストを回収できずにボランティアみたいなこととか非熟練バイトみたいなことを転々をしてきて、別に何もなしていないのに、今回また人の金をもらってどこまでコスト回収できるかわからん訓練を受けようとしているわけ?しかも今通信制大学にも行ってるんだぞ?地に足ついて無くない?それをうまくごまかして相手の励まし引き出しててずるくない?

 

 。。。完全に認知が歪んでます。私はうつ状態で精神科に通ってもう長いですが、最近ADHD疑いが出るまでの診断(と言っても主治医は診断をはっきり言わないタイプ)は「うーん、神経症とか?気分変調症とか?」だったので、まさにその方面の歪みが出てます。自分でもわかるんですけど、ちょっときっかけがあるとパタパタっと歪んでる方向に落ちて行ってしまいます。

 本当のところ上記の認知は完全には消去できてませんが、間違いであることの論証はできているので、認知療法的にちゃんと以下メモしておきます。

  • 誰かのリソースを奪っているわけではない。国の給付金制度なのだから、要件を満たしたものは誰でも申請できて給付を受けられる権利がある。私は当然の権利の行使をしただけだから、良い悪いの価値観の介入する余地は全くない。
  • みんなそれぞれ生きていく上では大変なこともあって、だから、みんなそれぞれそれなりにずるく生きている。ごまかしたり。流したり。自分のずるさを責めるなら人のずるさも責めるべきだけれども私が自分に抱く「ずるさ」は自分をいじめるために持ってきたものでしかない。親は、私のためだけどでも自分たちで「子どもに投資する」という親の欲求のために私にコストをかけたわけで。今の家族も、私にお金をかけてるとは思っていなくて単に自分の納得するお金の使い方をしているに過ぎない。そこで自分のずるさを言うのは私にお金を使っている人たちにかえって失礼で、ただ受け取って、ただ深く感謝すればいい。
  • あのね、今はね、一つの手続きを単に進めているだけだから。単なるタスク遂行だから。いい悪いは関係ないから。価値判断しない。する必要のない場面。次のタスクを確認して、予定に入れて、あとはその日その時が来るまで忘れればいい、そういうものだから。