20200731 カウンセリング記録

2020年7月31日(金) カウンセリング予約日 曇りのち晴れ 梅雨が明けそうかな?

 前回のカウンセリングでは自分がADHDであることが分かって過去の失敗体験に結びついて辛くなったこと、いったんADHDを引き受けてやっていこうとしていることなどを話した模様。

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 今日のカウンセリングは当然WAISの検査結果とコンサータ投薬からしばらく経過したけれどどうですかね?って話になると予測していったし、実際そうだった。ただ、これがカウンセリングというか「他者と話す」ということの醍醐味なのだと思うが、ふいに出てきた自分の言葉によって「あ、自分はそう思っていたんだな」と突然整理が進むことがあった。まあ、そういう回だった。

 「終わらせる」「区切る」ということの機能と効果について

ねま)コンサータを飲んでみて、まあ効果はあってどこまで行けるかと思って増量してもらったのだけれども、結果ちょっと体がきつかったので戻してもらって最低量18mgで今はやっている。効果としては、例えば、仕事で今まさにやっていること、あるいはいま終わったことについて、「今でよかったのか、タイミングはよかったのか、自分がやってよかったのか、何かやり残してないか、何か忘れてないか」など無限ループでぐるぐる考えて、帰宅途中もその状態で何だか分からないけど泣いて、となっていたが、薬を飲み始めてからはそれが三回転ぐらいで終わるようになった。なんというか一つ一つ、「これは終わった」「次はこれやってこれも終わった」「これはこっちの人がやってくれるから私はこっちやる」「仕事終わった、帰る」と決められる感じ。「判断する」「決める」「終わったと思える」というのは明らかに前と違うと思う。あと人に任せたことは気にならない感じ。というか今まで人に任せたことまで気にしすぎていたことが分かったという感じ。帰り道もそれほど仕事のことを気にしない。むしろ「あ、私今何も考えていない」と思いながら帰ってる。むしろ考えすぎていた時間を考えなくなって、空いた時間をどうすればいいか分からない感じ?
 だから、仕事以外の帰宅してからとか、休日とかの過ごし方のコントロールは悪いというか、やることを決めておかないと何もできない。今まではあれをやろうこれをやろうとやることリストも結構作ってるのだけれど結局何も進まないのでできないことリストになっていて、もうリストも見るのが嫌になっていて、そこは改善されない。ただ、洗濯と普通の掃除は謎の重力はかからずやれるようになっているので、多分他の事も「定型化」すればできるようになるのだろうと思う。入浴もえいっとその日のうちに入れるようになったし。前は入らないと入らないと、、、って二時間考えて結局入らなくて翌日出勤前にシャワーとか続いていたけど、服薬はじめてからはほぼない。だから家事にしても仕事にしても、習慣化、定型化していることに関しては、服薬してからはぐるぐる考えず決断できるし行動できるし終わらせられるようになっている。
 この「終わらせられる」「区切りがつく」って、たとえ毎日同じことを繰り返していたとしても、何か前に進んでいるという感じがする。前はそういう感覚はなかった。日常のこともそうだし、社会にある「区切りをつける機能」を持った儀礼の意味がなんとなく分かった。入学式卒業式とか、歓迎会とか送別会とか、私は本当にまったく意味わからん行事と思っていたけれども、あれは「いったん終わり、はい次に進むよ」という、物事を前に進める機能があるのだとわかった。私も前職で事業報告とか総会とか毎年やってたわけだけれども、その時は情報共有とか民主的に決定するかそういう意味だと思っていた。でも、区切りをつけて新年度を動かすってことだったのかと、やっとわかった。調査研究もやってたけど、論文にする、学会発表する、書籍にする、いわゆる「成果物」を残すというのも、調査協力者と同業者に対して得られた知見をフィードバックするという倫理的義務だと思っていたけれども、いったん区切りをつけて新たに次に進むためにもやってるんだなあと。

 私が前の仕事で破綻したのは、結局そういうことだったのかと。一つ仕事を始めたら、たとえそれがはい、今年度終わりましたよとなってても、私の中では終わらないので継続していて、で新規事業が始まって、また別の事業が始まって、、、でもどれも何一つ自分の中では「終わった」とならないから、すべてやっていかなきゃならないつもりになっていたし、「この状態はいつまで続くのだろう、、、というかずっと続くんだな」と思っていた。当然、抱えきれなくなって破綻したってことなんだろうと。でも今は、「区切りがつく」ってのはこういう感覚なのかーと分かったから、「終わる」ことができると思えるようになった。

 今は、仕事以外でも、何とか日課を作ってなるべく日常を定型化することを目指してる。定型化して身につけば謎の重力はかからないとわかったので、一応の形は作ってみようと。検査結果でも言われたが、やることは細かく分けたほうがいいようなので、「手順書」みたいなものまで分解しようと思っている。多分今までやることリストがやれないことリストになっていたのは、項目が大きすぎて何から手を付けていいか分からなかったから。片付けが苦手で進まないのも「片づける」だけになってるからダメなんで、手順を分けないといけないなと。「片づける準備の〇〇する」みたいな。

 私は分類が苦手なんで書類は積みあがる一方。仕事でファイリングって本当に苦手。紙が毎日毎日増えていくのが何なのと思うし、これはいるのいらないの、使うの使わないの、それもよく分からない。レシートってどうするの。本当にカオス。

心理士)「切替え」ができるようになってきているということじゃないですか。「区切りをつける」ができるようになってるのはいいですね。一つのことから別のことにスムーズに集中を移行させることができるようになっているということです。卒業式とかそういう儀式って、結局目に見えない「時間」というものを「区切る」ということなんです。空間には境界線は引けるけれども、時間は延々と続いていて境界線は引けない。なので儀式で「始まり」と「終わり」を作って区切るわけです。それで、次に移行できる、切り替える。日々のやることもそうで、一つはじめて一つ終わって、それで次に行く、そうやって切り替えていけるといいですね。
 「片づけ」は空間を「区切る」ことなんですよ。特性によってその「区切る」ができにくい。片付けは「今日はこの引き出しだけ」とか、もうすごく細かい「部分」からやっていくのがいいです。書類は。。。ちょっとまだこちらがねまさんの困り感をつかめてるか分からないけれども、いったん、「自分にとって必要かどうか」で分けるのはどうでしょうか。いつか誰かが使うかも、ではなくて、今の自分が判断して「自分にとっているいらない」を分けていくのがいいかもしれません。

世界を言葉で濃淡をもって捉えることができない空虚さ

ねま)検査結果に関してはおおむね納得できるというか、聞くより見る情報のほうが分かりやすいのはそう思っていたし、マルチタスクがダメなのも自覚していたので、改めてなるほどなと。私は車の運転は得意だと自分では思っているのだが、ナビ通りに曲がれないとか、人と話してると信号無視するとかよくあって、でもそれもそういうことかと納得した。あと電話しながらメモが取れないとか。
 検査結果で一つ「へえ」と思ったのは、言語処理能力は高いけれども「類似」の項目が極端に低くて相手の意図を読み取りづらいという結果だったこと。これは言われれば納得で、講演を聞いたり本を読んだりしてそれなりに自分としては印象に残るフレーズがあったり理解できたと思っていても、もし「じゃあこの人いったい何を言いたかったのでしょうか?」と聞かれると全く答えられない。「まとめる」とかは本当にできない。メモは逐語記録にしかならない。なんというか、「濃淡がわからない」という感じ。
 それから、自分の思っていることに関してもよく分からないことが多くて。多分自分の真意さえつかめないみたいな。私は、「喜怒哀楽」は言葉として学校で学習した。だから文章上の喜怒哀楽はわかる。でもうちや幼少期の友達間での言語世界は方言でかつ制限コードだから、方言で「どんな気持ち?」「こんな気持ち」なんてやり取りはない。でも学校の言語は標準日本語でかつ精密コードが使われていて。結果、その時々の自分の感情が精密コード上の喜怒哀楽のどれに当たるのかはちゃんと擦り合わせてこなかった。ちゃんと言葉で整理してこなかったから、何にも自分の中に残らないという感じがすごくある。これが分かった、今こう思った、とか感覚としてつかんだと思っても、水とか砂が両手の指の間からこぼれおちていくように、自分に起こった物事が全部じぶんからこぼれ落ちていく。何にも自分には残らなくて空っぽだという感じがある。
 だから今は日記をつけるようにしている。これが案外時間がかかり、コンサータの副作用だけではなく記録に時間がかかって寝る時間が遅くなっているのもある。今日やったことの事実とその時の感情を分けて記録している。書き始めると終わらないから眠れなくもなる。先生にはマイスリーを追加処方してもらった。

心理士)「類似」の項目の検査については、物事のポイントをとらえやすいかとらえづらいかというところなんですけど、回答そのものだけではなくて、説明の仕方とか、質問への応答の仕方とかそういうものからも判断されています。ねまさんは、空間認知と視覚情報処理の能力が結構高いので、やはり言語よりも、世界を映像とかで覚的にとらえて理解しているんでしょうねー。それをどう言語化するかに関しては、日記をつけるのはいいと思いますが、時間もかかっているようですし、逐次記録よりも、「その日一番印象に残ったこと」に絞って書かれたほうがいいと思いますよ。それだけで「感情の引っ掛かり」になるというか、それこそ「区切り」になると思います。

美大に行きたかった」過去の自分が成仏した気がした

ねま)ああ、関係ないかもしれないけど思い出した。私は子どものころ絵を描いたり物を作ったり「図工」とか大好きで、この私が好きで得意だと思っていたことに関してひどく怒られたことが三回ある。一度目は保育所で、折り紙の時間、先生が「最初はこうやってー」と一つ一つと説明しているところで、私は途中からああ多分こうかなと一人ですすめて「せんせーできたー」と得意げに見せたところ、「違う」って怒られた。モノとしても全然違ったし聞いてないしってところでしょう。あと幼稚園の時の読書感想画。読み聞かせを聞いて一番印象に残った場面を絵にかくというやつで、他の子たちは大体似たような場面を書くんですけど、私は全く違う、先生から見るととんちんかんな場面を選んだらしく、「なんでなの?」ってやっぱり怒られた。三回目は小学校の高学年かな、家庭科でエプロンを作るんだけど、ポケットに刺繍を入れましょうということで、簡単な刺繍も授業で教えてもらって。私は結構のめりこんで図書館で刺繍の本を借りて教えてもらった以外の技法まで駆使して、「うわ、めっちゃきれいなのできた」って自分では思ってて。でも、先生は「何ですかこれは!?」って、クラス全員の前で私のエプロンの刺繍を引きちぎらんばかりの剣幕で怒っていた。

心理士)ねまさんはよく、「家が田舎で家父長的だから」って言いますよね。自分が好きで自分で選んだつもりだったことが、実はけっこう我慢した結果なんじゃないかとか、慣習によって選ばされてきただけなんじゃないかとか。今のお話聞くと、自分が好きで得意で、きっと、ただ「できたねー」って言ってもらいたかったところで、ダメだといわれ続けてきて傷ついてきたってことがあったとわかります。その経験からも、知らないうちに我慢してたり自分を出せなくなったりしたんじゃないでしょうか。傷ついてきたんですよ。今だったら、その時の自分になんて言ってあげますか?

ねま)。。。(この時、私は「傷ついてきた」という心理士の言葉にピンときていない)うーん、「人の話はちゃんと最後まで聞きましょう」でしょうかね?

心理士)いやいや(笑)。今の時代だったらちょっと違うでしょうね。今は子どもが「できたよー」って見せたら「よくできたねー」「すてきだねー」って褒めたくないですか。

ねま)。。。ああ(この辺、話のポイントをつかめないってやつだな)。。。褒められたかったんでしょうね。やはり。そういうことがあったから、あまり自分のことを信用しなくなったり自分の選択とかやってることは間違っているかもと思ったりするようになったかもしれない。私、本当は美大に行きたかったんですよ。高校の同級生の男の子二人は行ったんですよ。高校の時から美大受験予備校に通っていてそれで、隣の県の美術工芸大に受かったんだけれど。私も、あの時、本当はいいなあ、私も行きたいなあと思っていたなー。あの、今となっては別に後悔はしていないんですけどね。

心理士)ああ、そうだったんですねー。そうかー。

 

-子どもの頃の怒られエピソードは、私は映像で覚えていて、その時の自分の体の感覚は覚えていたのだけれど、その時どう思っていたか、については言葉では出てこなかった。心理士さんは「傷ついた」と表現したが、それにもとっさにはピンとこなかった。家に帰って、今カウンセリングの記録をつけながらもう一度あの感覚を追体験して、言葉にしてみるとしたら。。。「いたたまれない」が一番ぴったりかもしれない。「悲しい」それもある「がっかり」もある、もちろん当時の先生は結構きついので「怖い」もあったかも。でも一番は「自分の行いは間違っていて、承認されなくて、それどころか責められていて、それをみんなが見ていて、だからその場にいるのはつらい。。。」って感じだろうか。いやな経験には間違いないので、その怒られの時間の間私は「早くこの時間が過ぎ去ってほしい」と思っていて、終わったら終わったで思い出したくないのでなるべくそのことは考えないようにした。怒られている時、私は頭も体も固まったようになって動かなくなるのだが(これは大人になってからも同様)、もし体が動いてその場から逃げることができていたなら私は一人になって大泣きしたと思う。つまり、私は「傷ついた」のだな、とやっと気が付いた。

ーちなみに、幼稚園から小学校卒業までの通学スクールバスの中で私はいつも立ち歩き騒いで運転手さんに怒られていたのだが、これについては「いたたまれない」感じは全くなかった(運転手さん、ごめんね)。違いは、前者は、自分が得意で、最も自慢したい、最も認めてほしい、最も褒めてほしい、そういう事柄をめぐって起こったことなので「傷つき」になったのだろうと思う。

ー「私は本当は美大に行きたかった」というフレーズが自分の口から出てきた時は自分でもびっくりした。多分今まで誰にも言ってなかったし、口にして初めて、「ああ、そうだよ、そうだったんだよ」と気が付いた感じもあった。進学時美大を選ばなかったのは、当時の自分の怠けグセとか(今思うとADHD由来の物なのかもしれない)に起因するかもだけれど、自分が好きで得意で一番認めてもらいたい部分については認めてもらえないかもしれない(親に反対されるとか、受験しても受からないとか、受かってもモノにならないとか)、というねじれた控えめさからも来ていることは確かだろう。

ー今当時の「美大に行きたかった」自分に声をかけるとしたら、「やりたいなと思うこと自体を遠慮する必要はない。やりたいと宣言してそう動いてみればいい。結果はやってみないと分からないし、うまくいかなくてもそれで世界は終わったりしないし。お金はやりたいことに邁進している人のところには自然に集まるから何とかなる。そして、少なくとも不本意なこと、嫌いなこと、うまくできないことは極力やらないほうがいい。自分の好きなこと、嫌いなことさえ分からなくなって、うつになって、そして死にたくなるから。」って言うな。
 

 そんな風に思ったら、「美大に行きたかった」自分は「傷ついた」自分ではなくなって、「あの時の自分ってそんな感じだったよねー」と笑ってる自分になって、なんだか「成仏した」って感じになった。

日課には『休む』もちゃんと入れましょう」by心理士さん

心理士)今日のお話を聞いていると、検査結果を受けて、ずいぶんと自己理解が進んだ感じがしますねー。薬も効果があったようでよかったです。

ねま)理解は進みましたけど、理解してじゃあ次はどうするの?何やるの?ってところ。実は今日からシフトの関係で一週間休みで、帰省しようと思ったら新型コロナがこっちでまた増え始めたんでやんわり断られたから、日課表を完成させて手順書をつくって片付けして。。。とか考えてる。一日の「時間割」を作ってやっていこうと考えてる。学校の一日のシステムって実はうまくできてるよなって思うのは、チャイムが鳴れば強制的に今やってることが終わるし、違うことが始まる。私は学校適応自体は悪くなかったから、学校みたいにしようと思って、あの「キーンコーンカーンコーン」が鳴る時計を買った。ひと月ぐらい前。まだうまく使えてないけど。でもチャイムなったら、「あ、終わりの時間」と意識できるようにはなっている。タイマーだと「押す」という手順を面倒くさがると思ってタイマーにはしなかった。

心理士)時間割、いいと思います。でもそこには、必ず「休む」こともちゃんと入れてくださいね。それも日課のうちです。

ねま)はーい、ありがとうございました(。。。実は「休む」を入れなさいという意味が多分ちゃんとわかっていない)。

次回はちょっと間をあけすぎないようにして、一か月半後ぐらいに設定。

 

 この後美容院の予約を入れていて、二か月ぶりに髪の毛を丁寧に扱ってもらい満足。もともとの毛の生え方の癖に加え加齢に伴い毛にうねりがあることと、ちらほら白髪があるのだが、「髪は超短くして!前髪邪魔!でも面長が目立たないように長めがいいかな!洗いっぱなしでセットしやすいようにして!今より髪の毛ちょっと明るくしたいけど赤み黄みが出るのはヤダ!あとはお任せ!」という全然お任せでないお任せ注文に美容師さん戸惑っていたがめちゃさっぱりきれいにしてくれたので満足。カラーは暗めラベンダー。二か月前はコロナの影響でお客さん全く入ってなかったけど、今回は満席で、美容師さんに聞いてもほぼお客さんの足は戻ってきて、むしろ都内の美容院から近場で探す人も増えてるみたいで―って言ってた。新型コロナで出かけたり集まったりできないし、ストレスもたまるし、せめて髪の毛を丁寧に扱ってもらって癒しを得ようって人、結構いるんじゃないかと思う。

 この日の反省。カウンセリングと美容院、一日に複数の予定(予約時間、拘束時間が決まっている予定)を入れがちなんだけれども、やはりとても疲れるので、一日一つにしておこうと思った。

 ( ゚д゚)ハッ! 心理士さんが日課に「休む」を入れなさいといったのはこのことか。日課に「やること」を入れすぎるともちろん疲れる。にもかかわらず動いている間は疲れを意識できないADHDは、ちゃんと「何もやらない」という時間も確保しなさいということか。「謎の重力によって全てが突然停止する」要因である「疲れ」を避けることを、前もって予定に組み込んでおけ、ということか。

 学校のチャイムが鳴る時計はこちら↓ 鳴らす時間は自分で設定できる。確か20回まで。

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