20200623 コンサータ18mg服薬一日目

2020年6月23日(火) 曇り時々晴れ

コンサータ服用1日目の記録。この日は出勤日。

 うつが良くなっても週3回以上働けない。。。ADHD持ちという視点から振り返ると

  私は現在、特別養護老人ホームで週三回、日中だけのパートタイムで介護職員をしており、未経験からの入職ですでに4年目に突入した。うつ治療については、フロアの職員と総務にはちらっと話してある。勤務日数の増加や常勤への誘いを受けたりしたのだが、やはり週三回の勤務で疲れ切ってしまう、うつが良くなれば常勤も考えたい、みたいなことは周りには話している。
 ADHDの診断を受けて納得したことの一つに、自己評価と他者評価の乖離はあるべくしてあるのだなということ。勤務中私はフル回転しているため大変元気に見えていると思う。120%稼働している自覚がある。あと悪く言えば「不注意」なのだが、目端が利くというか、色んな必要ないことまで気になって実際に手を付けて処理までしていくため勤務時間内に業務が終わらないことのほうが多く、サービス残業時間中も求められれば利用者対応をしたりしていて、全然不調があるようには見えない、であろうことは自覚している。だから同僚には「うつに見えない、あなたは大丈夫よー」とはよく言われる。で、帰宅後は力尽きて動けない、休日も何もできない、稼働率0%。優先順位がつけられないというか、順位もそうだし、それに応じた体力気力の配分もコントロール不能なのだ。
 120%と0%を行ったり来たりして生きるのは正直疲れるし、多分うつ状態もそこに起因するのだと思っていて、カウンセリングでは私は「毎日60%で生きるのが目標だ」と繰り返し話している。心理士さんはいろいろアドバイスをくれて多分その時は自分で納得するのだが、結局コントロール不能だった。だから、何とか週3回、その日8時間だけを120%稼働にして、一週間トータルで何とかバランスを取ろうとしてきた。主治医も心理士もその方が私には合っているのだろうという評価だったし、減薬しながらその状態を維持していくのが治療の方向なのかな、という感じだった。
 だが。しかし。介護現場あるあるの慢性的な人員不足、それを補うため短時間非常勤パートの頻繁な新規採用と配属、その結果毎日毎日人員配置が違うので、ある業務を誰が担うか、を毎日毎日考えなくてはならない。新規入職者の実地指導もしなくてはならない。しかし明文化された新人教育マニュアルがなく、曜日ごと月ごとにある業務一覧もない。今年に入って研修制度も新しくなっていつ研修するか自分で組み立てなくてはならない。そしてそこへきての新型コロナウイルスである。重症化と死亡リスクの高い高齢者に感染させるようなことは絶対にあってはならない。感染予防のための細かい業務が増加。私は業務中一見元気いっぱいだがしょっちゅう今やるべき仕事を見失うようになり、人の言葉を悪くとるようになり、利用者にイライラするようになり、休憩中や帰宅途中で泣くようになった。家事や家族のことは全く手を付けられなくなり情けなくて泣く。抗うつ薬の減薬もとん挫した。ここで主治医がADHDを疑って発覚し確定診断に至ったわけである。

コンサータを飲んだ初日一日の流れ

 さて、勤務は早番なので7:00~16:00である。普段は5:30ごろに自分で起きるのだが、この日は前日寝つきが悪く入眠が2時過ぎになった。原因は分かっており、コンサータ処方が決まった昨日の診察記録をちゃんとその日のうちに書いておこうとして、夜PCで書き書きしているうちに目がさえてしまったのだ。そんなわけで6時過ぎに家人に起こしてもらって慌てて身支度をして服薬(コンサータ18mg+トレドミン25mg)。早番の時は家人の出勤時間とほぼ変わらないので家人が車で職場まで送ってくれる。これがなければ私はこの仕事は続いていないと思う。家人に感謝(家人は朝5時に起き、庭を整理し、猫にご飯をあげ、私の朝のコーヒーまで入れておいて、ゴミ出しまで終えている)。
 早番の仕事は、10名のユニット入所者さんに対して、朝食及び昼食の準備と介助、服薬介助、食後の口腔ケア、排泄の介助、入浴の介助、お茶やおやつの提供、入床や離床の介助、リネン交換、レクリエーション、介護記録の作成、ゴミ出し、消耗品の補充などである。この日はそこに、2人の新人職員のOJT(実施指導)、一人の入所者さんの受診外出のための準備(申し送られてなかった(怒)が入っていた。すでに二人のOJTをやるというだけで普段なら朝から脳内多動状態である。で、超忙しい時間に「〇〇さん受診で外出だけど。。。聞いてない?」って、多分いつもならここで私は「自分が聞き漏らしていたんじゃ?」と自分を責める方向で脳内ぐるぐるに陥るはず。昼休憩中に旧友から少し重めの相談の電話が入って30分ほど対応したり。休憩明けは記録の時間だけれども、落ち着かない利用者さんのお話し相手になっていたらなかなか記録は終わらず。いつもなら顔は笑って心は折れていたはず「終わらない―(泣)。無能ー(泣)」みたいな。
 がしかし、私は退勤後というか、業務が終わって帰る前に上司に今後の勤務調整の相談をしに行った。ADHDはオープンにした。上司は「何それ?」って感じだったが。ADHDなので配慮してほしいということではなく、そういう診断があって薬物治療の内容が変わるので副作用がどう出るか分からないし、最近異常に疲れることもあって、その日の段取りをほぼ決める役割を担う早番を減らし、勤務日数も減らしてほしい、急にあさ調子が悪くて休みます、となったら迷惑かけますし、と要望した。とりあえず次月そうしてもらって、治療がうまくいって調子が戻れば元の勤務に戻してもらっていいので、と。何やかや30分ぐらいしゃべり続けた。
 上司との話が終わって休憩室に戻り帰ろうとしたがここで脱力して、5分ほど座り込む。帰途は家まで徒歩15分。足が上がらずいつもよりゆっくり歩く感じになった。帰宅後はスマホを見ながら横になりだらだらしてそのまま少し寝入ってしまう。一時間ほどして家人が帰宅。ご飯だよーと起こされる。当然夕食は家人が用意してくれている。感謝。
 食後はトレドミンを服薬。明日は勤務日じゃないからメイラックスはいいか―と思って飲まなかった。もうすべてやる気なしでスマホをだらだら。22時を回り入浴をだらだら。23時に眠剤のルネスタを飲んで、寝ればいいものを、通院記録なんかをPCでつけ始めて止まらない。次の日は休みなのでまあいいかと続け、2時を回って眠気が来たのでベッドに入って入眠。。。というのがその日の流れであった。

この日の感想:コンサータの効果なのかプラセボ

 さて、コンサータ服用一日目。コンサータの効果であるADHD症状の軽減(多動、不注意の軽減、円滑な作業の切り替え)がどうだったか、副作用と言われている吐き気、食欲不振、頭痛、不眠、動悸などはどうだったか、ということを中心に以下まとめる。

  • 副作用の吐き気はなし。食欲減退も特に感じず、空腹感はいつも以上に感じる。ただ、昼と夜は食べ始めるとすぐお腹いっぱいになる感じはあった。食後のおやつに手を付けなかった。
  • 頭痛は午前中仕事をしながら「少し頭が重い」と思った程度。痛みには至らず不快感もなし。
  • あまり劇的変化は感じない。「脳が静かになる」という感覚ではない。ただ、思考の無限ループはしない感じ。新人指導の内容は事前に考えてきていたのだが、いつもだとそれでもその場でうーんと。。。となりそうなところ、スムーズな判断と指示ができた感じ。「判断に負担感が伴わない」感覚はある。
  • 申し送られてなくて急遽対応しないといけなかったことにも慌てず対処できた。送迎の看護師を待たせることになったが、「申し送られてないためこちらの責任ではない」と割り切って手早く準備をし、必要以上に自分を責めることはなかった。というかあまり感情なく取り組めた。
  • 利用者対応で記録がなかなか進まないし仕事が終わらないなあと思いつつ、イラつくことがなかった。また、記録の間のコール対応はほかの職員にやってもらうわけだが、今までは申し訳なくてすべて自分で対処しないとと思っていたが、あまり自分を責めることなくお任せすることができた。記録とこの落ち着かない利用者さんの対応は私がやっているので、他はやってくれるだろうと自然に思えて目の前のことに淡々と取り組める感じ。
  • 無駄に多弁?になっている印象。同僚との話、お昼の旧友との話、上司との話。話が冗長で言いたいことが伝わっているかなあ?という感覚はいつもと同じ。ただ、いつもなら言い出す前に感じる謎の重力がなく口が回る。
  • 帰り際の脱力は約12時間と言われる薬効が切れたからか、話疲れか?帰途の足の疲れは?帰宅後の眠さは前日の睡眠不足として。帰宅後の生産性の低さは相変わらず。
  • 通院記録を入力していて就寝時間が遅くなるのはよい傾向ではないがだらだら起きているのは最近の傾向だから薬のせいかどうかは分からない。ただ通院記録を「書ききった」という感覚はある。以前だと、記録や文章書きもなかなか終われなかった。区切りをつけられない。この日はそれがなかった。

 劇的な変化は感じないが、副作用はあるものの、仕事にはプラスの効果が感じられたかなと思う。プラセボかどうかは続けてみないと分からない。あと、休日、家のことに手を付けられるかどうか、だな。

おまけ:お薬飲んだか忘れちゃう人向けおススメグッズ

 前にも書いた気がするけれども、ADHDかも?って言われてから、ネットでADHD持ちの人たちが使ってよかったと言っているもの見たりして、あまりそれまで必要性を感じていなかったけれども、買って使ってみて結果とてもよかったもの。一つはこのピルケース。朝昼夕寝る前の一日4回分のお薬を一週間分分けて入れられる。一日分ずつケースが分かれているので持ち歩きも可。一日ごとに色分けされていて視認性が高くきれいなレインボーカラー(なので、視覚刺激に過敏な方には向かないかもしれません)。


 

別に私の薬は飲み忘れても問題ないのだが、「あれ?飲んだっけ?まだだっけ?」ってなることが多く、別にそれでもかまわないと思ってそのまま来たけれども、これを使ってみたら超快適。いつ飲み忘れたかもわかるし(つまり、こういう時に飲み忘れるとか、飲み忘れ頻度とかのデータが取れる→診察時に報告できる)。「飲んだっけ、まだだっけ」と服薬時(私の場合一日三回)毎回考えること自体、脳内メモリ食ってるわけでプチストレスだったということを再認識した。今は、何も考えず用意してある薬を飲めばいいだけ。毎週ケースに薬を詰めるのが面倒なようだが、私はこれは面倒と感じないようでパズルでもするように楽しく作業している。詰め終わったら「これで一週間分~♪」というプチ達成感も目に見えて得られる。ワーキングメモリ弱めで脳の報酬系がバグってる私のような方は使ったほうがいいです!!